来たれ、京都大学空手道部へ!!
―大いなる飛翔をめざして―

文責 昭和50年卒 佐々木憲一

諸君、まずは京都大学入学を心からお祝いする。

諸君らの、おそらくは10年以上に及ぶ努力は見事に報われた。その喜びはひとしおであろう。心から祝福し、喜びを共有したい。「万歳、よくやった!!」

さて、水を差すつもりはないが、少し冷静に考えてみてほしい。

現在の社会は、ご承知のとおり実力社会である。大学名だけで評価される時代は終焉した。じっくりと実力をつけるため良いスタートラインに今立ったのである(立っただけの事である)、ということをはっきり認識していただきたい。

それでは大学でじっくりと身に付けるべき実力とは何か。

「心技体」

これである。これらは、三位一体として同時並行的に身に付けなければならないが、上達論の見地からあえて学ぶべき順位をつけるとすれば、以下となる。

「体心技」

「学 問、政治、ビジネス、スポーツあるいは武の道」、どのような世界であれ、まずはその世界で通用する基本技を作らなければならないが、その前に技創出に耐え うる「体」を鍛え上げなければならぬ。そして、将来の大いなる飛翔のためには砂を噛むような長い助走期間が必要であることをしっかりと認識し、そのつらい 道程を支える「心」を養わねばならぬ。そして、その「体」、その「心」をして自身が選んだ世界に通用する基本技を誠心誠意、正々堂々、近道をせず身に付け ることこそが王道なのである。

この王道をともに歩むため、この書面を借りての「空手道部」へのお誘いである。

自己の「肉体」と「精神」を、はじめは他律的にならざるを得ないかもしれないが、最終的には自律的に(自身の認識をして)鍛え上げることを目標にしているのが、我「空手道部」である。そのための方法論、技術論、精神論を我部はしっかり持っている。初心者でも安心して練習に取り組めるのである(例年、入部者の80%は初心者である!!)。そして、強靭な「体」「心」が培われれば、未来に対して大いなる展望を持つことができることは断言してよい。

だが、将来の歩むべき世界の選択にはいろいろ迷いも出よう。「先達はあらまほしきものかな」。そのときには、創部75年の歴史を持ち380名以上の会員を有するOB会 (叡空会)が諸君の迷いに対していつでも助言できるであろう。叡空会はまさに異業種の集まりである。どんな分野の質問でも対応可能である。考えてもみてく れたまえ。諸君より半世紀以上前から日本社会の中心的な役割を果たしてきた方々に「先輩!」の一言で、何でも相談できるのである。すばらしいことではない か。

大上段の議論ではあったが、きっかけは何でも結構である。「ただ、強くなりたい」、「武道を知りたい」、「気の小さい自分とおさらばしたい」。大いに結構。是非、小さじ一杯の勇気を出して空手道部の部室の扉をたたいてほしい。扉の向こうには、道着の汗のにおいと共に諸君らの大いなる未来を育む世界が広がっていることを、実感していただけるであろう。

秋のOB会で、諸君らとともに語り合える日を楽しみにしたい。

―ゆるぎない自己の確立のために―
京都大学空手道部へ来たれ!!

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