文責 佐々木憲一(昭和50年卒)
新入生諸君!
京都大学入学、おめでとう!!
諸君はこれまでの勉学の集大成として、見事に京都大学に入学した。
よくぞ、よくぞ成し遂げた!!
2、3日はその余韻に浸ってもよい。
でも、2、3日が過ぎたらすっぱりと切り替えよう。
大学に入ったからには、これまでの「答えのある難問をすばやく解く『受験勉強』」は遠い昔のこととして忘れ去るべきである。最高学府は、人類が築いてきた多様な学問を広く修め、専門分野の遺産を深く自分のものとし、それらを基礎に日本そして世界を変革していく原動力を養う『場』である。高い志を持ち、まずは世界中の同世代を競争相手として、正解のない問題、歴史上誰も解いたことのない難題に敢然と立ち向かう知力・体力・精神力を培う『場』、私の言葉で言えば「ゆるぎない自己」を確立する『場』が大学なのである。
なぜ、「ゆるぎない自己」が必要なのか。
諸君らが数年後に社会にでれば
一、自身の専門分野において、世界中の論客と渉りあえる
一、発生する種々の難問を、動ずることなく粛々と解決できる
一、常に謙虚に自身を振り返り、他者の意見を傾聴して反省を怠らない
一、熟考を重ねて決定した事項は、「千万人と雖も吾往かん」との胆力で貫徹する
という理想的世界人にならねば、と切実に感じるであろう。
そう、その時頼ることができるのが「ゆるぎない自己」なのである。
さて、その理想的世界人像を目指す諸君に、【考える空手】をベースに創部85年、約450名のOB・OGを輩出してきた伝統ある京都大学空手道部への入部を強くお勧めする。京都大学空手道部は、諸君にこの「ゆるぎない自己」を確立する基礎を提供することができる。
・肉体も精神もより高い次元に引き上げたいと切望する諸君
・頭脳をもっと鍛え上げたい諸君
は是非、空手道部へ入部してもらいたい。
・なんとなく「面白そうだ」と思う諸君
・今の自分より、もうちょっと強くなった自分に会いたい諸君
・単なる一運動部を紹介するのに、何が言いたいのかさっぱりわからない諸君
も是非是非、一緒に空手をやってみよう。真剣に自分自身と向き合って必死の汗を流せば、わかってくることがたくさんある。
また、日本社会の中枢を担ってきた先輩方、現在進行形で日本そして世界で活躍する先輩方とOB・OG会で語り合うのも、きっと刺激的な経験である。
再度言う、迷うことなく空手道部の部室の扉を叩いてほしい。
想像もできないほど逞しくなった未来の自分が、やさしく扉を開いてくれるであろう。
―来たれ京都大学空手道部へ―
「ゆるぎない自己」を求めて!!